農園開設奮闘記「草部貸農園」編 


(vol. 4 / 10)

みっ、水がねえぇ~~…

 

平成20年9月上旬より物件調査開始

主たる調査事項は

1.40年以上も放ったらかしにされていた対象地の土は畑に使えるのか

2.畑への散水用の水の確保の問題 でした。

 

まずは、1.土質の問題。

市役所・農協さん・周辺農家さんへのヒアリング結果は

“実際に使ってみんとわからんなぁ”との回答が圧倒的。

ただ地元精通者は

“対象地は今でこそ草ボウボウだが、昔はそれはキレイな稲穂がなってたんやから、

今でも使えるはず!”

とのありがたいお言葉。

これは実地検証してみるべし!

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早速、スコップ片手に実地検証。

土の一部を掘り返してみると、土は意外にもホクホクの状態。

下の写真のとおり、雑草の根っこは強烈なものでしたが、

どういうわけか土はホクホク。

 

畑のド素人の私ですが、土の状態はいい感じのように思えました。

“きっと40年分の枯れ草が堆肥となって、

土に良い影響を与えてきたからだろう”

なかばそうであってくれたらとの願望にも似た思いで、

“この土は使える。いや、使えるはず!”と判断、

といいますか、そう自分に言い聞かせていたのでした。

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次に2.水の問題。

ここで最大の問題が発覚!

なんと対象地の前面道路には上水道管が通っていないのでした。

直近の水道管まではざっと100m。

ここから水道管を引き込むには数百万円の費用がかかります。

これでは貸し農園の利用料金を

当初の計画より相当値上げしないとまかなえません。

これはイカン!イカンイカン!

というわけで、水道管の引込みは断念せざるをえませんでした。

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しかし、貸し農園としてご利用いただくためには、

やはり“水”の確保が絶対条件。

早くも最大のピンチを迎えてしまいました。

 

ところが、運のよいことに

対象地のすぐ横には左写真のような水路がありました。

“この水路、使えない?”

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よくよく見てみると、対象地横の水路には、

写真のとおり水を引き入れるためであろう穴(分水栓)が設置されていました。

“これは水路の水を引き込みなさいというサインか?うん、使える!”

またまた何の根拠もないままに自分にそう言い聞かせ、

最大のピンチから一転して一安心。

 

あとは水質の問題。

見たところ流れている水はきれいでにおいもないので大丈夫!

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念のため水質等の調査・・・・・・結果は△。

当水路にはごく一部ではあるものの雑排水も流れており、

完全にピュアな水ではないことが判明。

ただ田植え時期の6月~9月にかけては

純粋な農業用水が大量に放流されるとのこと。

この時期なら使えるにしても、日常的にはね…。

利用者さんにはできるだけきれいな水を使っていただきたいし…。

断腸の思いで、この水路の常時利用も断念せざるを得なくなりました。

水確保の問題が一転して振り出しに・・・。

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